脇道

丸太の利用は木材利用の王道(2025年12月)

僕は,伐採して皮を剥いただけの生の丸太を地盤に打設し軟弱地盤対策とするのは,木材利用の王道だと思っている.

 丸太は,安定して繰り返し荷重に強い.直径16~18cm程度の丸太を軟弱地盤対策で多く使うが,これは山で40年程度かけて成長したものだ.この樹高は,20m程度になるそうで,ビルの高さで言えば,6~7階程度になる.これは,自然がつくり上げた立派な構造物である.しかも,40年もの間,枝葉は強烈な風雨に晒されるので,幹は大きな繰り返しの曲げ荷重を受ける.雪国であれば,さらに,積雪荷重も加わる.40年の間には,虫に食われ,それが深刻であれば,幹が折れてしまうだろう.40年経過した立木は,淘汰されて生き残った個体なのだ.したがって,40年の立木から得られた丸太は,自然環境による全数検査に合格した材だと言える.

 ただし,丸太に加工を加えれば,断面が歪んだ形状でも,バランスを取り40年間耐えてきた形状を壊すことになる.可能な限り,立木の形状を維持したまま使うべきだ.

 コンクリートや鉄などの人工材料の信頼性が高いと思われる場合があるが,逆ではないだろうか.人工材料は,人が検査して信頼性を得ているが,人は誤りもするし,時としてごまかしもする.材料に至るまでの過程が全く異なるのに,人工材料と同じ視点で丸太を検査しようと考える人がいる.これは,おかしな話だと僕は思う.

 加えて,丸太の状態で使用している限り,力学的な信頼性に加え,材料製造時のエネルギー排出は少なく,材料使用の歩留まりも高い.木材を丸太のまま,乾燥もさせずに生のまま使うことが,木材の最良の利用方法だというのが,僕の基本的なスタンスなのだ.

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