脇道

ウォーキング(2025年10月)

ウォーキングは田圃の中を歩くので,通る人は少ない.しかし,すれ違う人がいないわけではない.そんな時,歌うのを躊躇する.恥ずかしいのだ.はて?ところで,「恥ずかしい」とは何だろうか?人間にとって不要な,邪魔な感情なのではないだろうか?
犬や猫,人間でも赤ん坊にはその感情はないように見える.「恥ずかしい」という感情を持つことで,何か良いことがあるのだろうか?彼らは立派に生きているし,むしろ,それがないゆえに自由に生きているようにも見える.やはり,邪魔な感情なのか.
僕は,恥ずかしがり屋で,引っ込み思案なところがあるので,それを克服したいと思っている.これを機会に,大声で歌って「恥ずかしい」を克服しよう!
やってみたら,「遠くから声が聞こえましたよ.」「きれいな声ですね.」「その歌懐かしいですね.」「元気がありますね.」....と結構好評だ.
ところが,寛容な人達ばかりではない.その日も大声で歌っていた.すると,直線道路の右端に,白いクラウンらしき車が止まっていた.車は,いわゆるシャコタンだ.内装もかなり立派で,高級クラブのようだ.今日は,厄介な奴らに出くわしてしまった.乗っているのは,やはりそれなりの若者二人だった.窓を全開にして,ドンガラと音楽を聴きながら,リクライニングしてくつろいでいた.近づくにつれ,進む足が左にそれたがる.ここで,屈しては駄目だ,とますます声を張り上げて,道のど真ん中を進んだ.ぼこぼこにされるか・・?車にいよいよ近づいた.すると,二人は,窓から身を乗り出し,僕に向かって,拳を上に突き上げ,イェーイェーイと応援してくれた.「なーんだ,いい奴らじゃないか!」その日は,新たな仲間ができたようで,少し良い気分になった.

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